荒木飛呂彦

実際にはもうかなりの御歳を召していて、体の不調とかもあるのに、
僕は今でも異常に若く見られるらしい。

昔は若く見られることが多かったが、今は若い頃と比べて太ってしまっているし、幾多の辛い人生経験も経ているため、最近は流石に年相応に見られるようになってきたのだろうと思っていたがそうではなかった。

この「異常に若く見られる」という体質はウチの親戚等もそんな傾向があり、遺伝的なものなのだろうと思う。

これは老けて見られるよりはマシなのだろうが、世の中には相手の容姿などの印象から自分にとっての優位性を感じるとすぐに調子に乗るバカが多くいるため、特に男性の場合はあまり良いことではないと思っている。
若く見られるというのは大抵の場合、“その方がカッコイイ”という概念の大極にあると言っても良いのではなかろうか。つまり、いつまでも若くてかっこいい…という事ではなくて、「幼い、童顔、甘い、人生経験薄い」という様な印象から相手にそう言うのだろう。
つい最近も、商談の中で相手がやけに横柄な態度をとってきて、その相手のスタンスというのが「まだ若くて至らない俺君にビジネスの何たるかを教えてあげる」という様なスタンスで非常に違和感を感じた。僕から見れば明らかに相手の方がずっと年下でビジネス経験も薄い。でも相手はきっと僕の方がずっと年下だと思い込んでいる様子。

また、最近会った別の人に聞いた話で、
「20代中盤くらいに見えるけど自分で立ち上げた自営業をやっているって話からもう少し上なのかな…?くらいに思ってた」そうで、「ヒゲを剃ったら20代前半に見える」とまで言われた。んなバカな・・。もう少し上…どころの話じゃないんだよ!

そういえば思い返すとこの特異体質によると思われる色々な変な瞬間があった。
数名で飲みに行った際に僕が齢を言ったらそこにいた全員がなんとなく「???」みたいになって一瞬場が静止したような時があって、今思えばあの時も皆ちょっと不思議に思ったんだろうなと。

結婚していなかったり子供が居なかったりといったことも原因の一つだとは思うが、それが原因の全てではない。そうでない例もいくつかあるからだ。

それから、たとえ相手の容姿や年齢、印象がどうであれ、自分が相手に接する態度とかを変えるような奴はガキだし人生経験が浅いよね。
人生経験が豊富で本当にその本人が苦労して状況を築いた成功者は、そこに至るまでに「人は見かけによらない、見た目だけではわからない」という事例も沢山経験しているはずだからだ。僕自身そうである。

それにしても未だにその「異常に若く見られる」というおかしな呪縛から逃れていなかったとは我ながら驚いた。