じゃあ、少しマイケルジャクソンについて書いておこうか・・。

今の若い世代の人達には、マイケルジャクソンなんてただの変な人でしかないのかもしれないと思って、彼がかつて神だった頃のお話をしようと思う。

かつてマドンナは、
「自分が最高の歌手じゃないことは分かってる。
最高のダンサーじゃないことも分かってる。
でもそんな事どうでもいいの。
だって私は最高のエンターティナーなんだから。」
と言う言葉を残したそうであるが、
マイケルに関しては、
最高の歌手であり、
最高のダンサーであり、
最高のエンターティナーだったと思う。

エンターティナーとしてナンバーワンだったのは言うまでもないが、それほどまでに彼の全盛期の歌やダンスは凄かった。
その後モノマネのように派生したブレイクダンスなんて、彼がやはり本家のような所があり、見ているこちらの目がおかしくなったのかと見まごう程であった。
今現在は昔のそういう映像をYoutubeなどで見れるのでぜひ参照してみてほしい。有名なムーンウォークだって彼の物は本当に床が動く歩道になっているかのようだった。そして勿論、ムーンウォークだけではない。ストップモーションのように、コマ送りのように動くダンスは本当にこちら側の再生機器が壊れたのかと思うほどキレがあった。
彼の歌声だってそうだ。
あの歌声って意外と他にいないし、真似できない独特の声だった。

だった・・・・・。って言わなければならないのが悲しいのだけれど・・・。


問題は・・・・、
これは誰しも思う事なのだが、
「何故あれほどまでに整形手術をしてしまったのだろうか?」
と言うことだと思う。
みんっっっっなそう思うよね。

ある人がテレビで言っていたけれど、
実はマイコーは異常なほどダンスの練習をしていた人らしい。
おそらく、ある種の事に対して執拗なまでにそれを行うような、異常な偏執性を持っていたのだと思う。彼はおそらくその類の異常者であろう。
つまり、変質的偏執病、その類のパラノイア、人格障害者であったのだろう。
そう考えると、僕は「RADIO HEAD」パラノイドアンドロイドという曲を思い起こしてしまうのだが、また、そういったところから生じる、自身を神格化するという妄想もあったかも知れず、それが後のジャービス・コッカーとの事件に発展してしまうのかもしれないのだが・・、ジャービスコッカーのマイケルいじり



まあ、それはともかく・・、
ひとつの事に異常に熱心になってしまう精神異常者とも言って良い傾向を持った人が、その偏執的な物事自体がお金や芸術、研究など、仕事として成立した時、その人は古来、「天才」と呼ばれるのだと思う。
それは才能の偏りとも言える。

マイケルの場合はダンスと歌、そして整形手術などにその特異性が出ていたのだろうと思う。
皆誰しも思うところだ。せめて「ブラック・オア・ホワイト」の辺りで整形を辞めておけば良かったのに・・・と。
しかしそんな分別を持ち合わせている様なマトモな人間であれば、あれ程のパフォーマンスもまた生み出されなかったであろう。

大抵の場合、本当に精神疾患を患っている人が健常者よりも優れた芸術性を持っているということは無い。そういった人の考えや世界観は多くの場合、非常に稚拙な物で、特にそういう精神的な疾患や芸術、その双方の現場を良く知る僕は、山下清やゴッホに偶然見られたことから一般によく誤解される「精神的な疾患を持っている人は特別な才能を持っている」と言うようなことは言いたくない。

しかし、マイケルに関しては上記の山下清やゴッホのそれと似たような所から生み出されたパフォーマンスだったのではないかと思う。故に彼の整形手術に対する異様なまでのこだわりについて、どうこう言っても意味を成さないのではないかとも思う。

それにしても・・・。
この世の中からまた一つ、大きな喜びが消えてしまったように思います。
大変悲しいです。

間違いなく、「世界で一番有名な人」だったわけで、
それだけでも凄い事。

でした・・・。








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