〜

子供達は
おどり とびはね さざめきながら 
たのしい笛に ひかれていった。
けれども、
ひとりだけ、足がわるくておくれた少年が残された。


遊び仲間ももういない
この悲しみは忘れるものか
あの人の言う素敵な国で 
みんな仲良く暮らしてるんだ

すぐ行けるよと あの人は言った
よろこびの国 しあわせの土地
 
僕のびっこも そこではきっと治るはずだと信じたのに
笛の音は消え 気がつくと 山のこちらにただ僕一人
こころならずも取り残されて 今も歩けぬこの有り様
二度ときけない あのくにのこと


後々までもその日のことを 
さびしい顔でかたるのだった

ハーメルンの笛吹き男