
銀座カリーの箱の裏 その1の続き
『常連(じやうれん)の若い事務員(じむゐん)さんとそのお仲間が、
立て続けに結婚なさいました。
當世(たうせい)の自由恋愛(じいうれんあい)なる物も中々善いと、
少々(せうせう)羨ましく思って居(を)りますと、
或日一同お揃ひでお越しになりました。
「亭主、改めて、家内です。」、「山田です。此方(こちら)が妻です。」
、「イヤ、実は御禮(おれい)を言ひたくてね。我々の縁結びの神は、
まったく此処のカリーだよ」。
眞(まこと)にコック冥利(みやうり)に尽きるとは此の事でございました。』
立て続けに結婚なさいました。
當世(たうせい)の自由恋愛(じいうれんあい)なる物も中々善いと、
少々(せうせう)羨ましく思って居(を)りますと、
或日一同お揃ひでお越しになりました。
「亭主、改めて、家内です。」、「山田です。此方(こちら)が妻です。」
、「イヤ、実は御禮(おれい)を言ひたくてね。我々の縁結びの神は、
まったく此処のカリーだよ」。
眞(まこと)にコック冥利(みやうり)に尽きるとは此の事でございました。』